窯との17年をしみじみしていたら、妙な窯の事を思い出しまして・・・
6年間アシスタントとして、仕事を身近で教わった師匠から、
「もう一人でできるやろ。半年の準備期間を与えるので、独立するように」
と言われ、窯を買うことになったのでしたが、
そもそも一人で仕事として陶芸をやっていけるとは考えていませんでした。
ずっとアシスタントでいいと思っていました。なので、「独立」なんて言葉は頭になかった。
しかも窯を買ってまで陶芸をするには、家族に遠慮がありました。置き場所や配線の問題もありました。
ちょうど陶芸雑誌で、スペースシャトルの断熱材で作られた窯を見つけました。
熱源はプロパンだったかな・・・超軽量で、3つぐらいに分かれて、使わないときは押入れに仕舞えるのです!
これしかない!!と思い、40・50万ぐらいを振り込んで購入を決定。
埼玉だったか、遠いところから持ってきてもらい、一回本焼きをしてもらいました。
それがなんと、4時間ぐらいでした。本焼き、1200度以上がですよ???
窯出しはさすがに翌日だったけど、焼き上がりを見て・・・でしたね。
先方が仰るには、「これは工業製品のような焼き物を作る窯ではない。
芸術作品を作る窯なのだ」とか言ってましたね。
結局、全額ではなかったけれど返金してもらって、返品しました。
返品は、クロネコさんが軽々と運んでくださったのでした。